現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより

アートの価値ってなんですか?

poster for Guess What? Hardcore Contemporary Art’s Truly a World Treasure - Selected Works from the Yageo Foundation Collection

「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 - ヤゲオ財団コレクションより - 」

京都市左京区エリアにある
京都国立近代美術館にて
このイベントは終了しました。 - (2015-03-31 - 2015-05-31)

In フォトレポート by Megumi Yanaka 2015-04-15

京都国立近代美術館にて、「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」が5月31日(日)まで開催されている。本展では、世界的電子機器メーカーのヤゲオ・コーポレーション(台湾)会長、ピエール・チェン氏が、25年にわたって収集した世界トップクラスの現代美術コレクション、約70作品を展示している。

美術品というのは、ある人にとっては美しい逸品であっても、他の人にはまるで理解できないということがあったりする。では、誰もが美しいと認める作品が最も市場価値が高いのかというと、オークションで高額落札される作品を見る限りそうとも言い切れない。
結局、アートの価値とは何なのか。見た目の美しさなのか?市場価値なのか?それらは国や文化、時代によって違いがあるのか。本展ではそんな考えを巡らしながら鑑賞できる仕掛けやゲームも用意されている。

注目すべきは、展示作品の全てが1人のコレクターの目利きによって収集されたプライベートコレクションという点だ。投資目的ではなく「アートとともに生活すること」という哲学を持ち、あくまで自分の生活空間にフィットする作品を収集する姿勢を貫いている。そのため、収集の対象は絵画や彫刻を中心としている。

その顔ぶれは、フランシス・ベーコン、アンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒター、杉本博司といった現代アートの中核(ハードコア)たち。美術館で鑑賞するような代表作を、台北、香港、日本の自宅に飾って日常的に親しんでいるというから驚きだ。

意外にも、彼のコレクションは、苦学生の頃に一年半の貯金でようやく手に入れた香港のアーティストの作品(約5万円)からスタートしている。以来、台湾や中国の作品収集に十数年を費やすが、その関心は次第に西洋の現代美術へ向けられていくことになる。本展では、日本でまだ発表の機会が少ない中国人アーティストの作品を多く鑑賞できる点も面白い。

会場出口ではコレクター気分を体験できるゲーム「コレクター・チャレンジ」に挑戦できる。対象となる展示作品の中から、50億円以内で最大5点まで好きな作品を選べるという内容だ。アートとお金の関係性について考えてみる良いきっかけになるかもしれない。

これまで、東京、名古屋、広島、京都の4カ所を巡回してきた本展。
地域によって鑑賞者の反応の違いがあるのかどうかも興味深いところだ。

[開催概要]
京都国立近代美術館
「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」
http://sekainotakara.com/

2015年3月31日(火)~5月31日(日)
9:30~17:00(金曜日は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(ただし5月4日は開館)
観覧料:
一般 1,200(900)円
大学生 500(250)円
高校生・18歳未満 無料
※( )内は20名以上の団体
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料(入館の際に証明できるものをご提示ください)
※本料金でコレクション展も鑑賞可

ギャラリートーク
講師:当館主任研究員
日時:4月18日(土)13:00~13:30
   5月23日(土)13:00~13:30
会場:京都国立近代美術館(1Fインフォメーションにて集合)
定員:20名(当日12時から1Fインフォメーションにて整理券を配布)
※聴講無料、要観覧券

Megumi Yanaka

Megumi Yanaka . 1984年生まれ。同志社大学経済学部卒業。広報関係の会社に6年間勤務し、オフィシャルブログやホームページの仕事に携わる。その他セミナー講師なども経験。退社後はKansai Art Beatにインターンとして在籍し、現在はギャラリーに勤務。 ≫ 他の記事

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