かつて、横浜の労働者を支えてきた下町ー若葉町は、タイ、中国、韓国などを始めとする飲食店が立ち並び、他の町ではなかなか見ることのできないマルチ・エスニックな雰囲気を醸しています。その一角にある本展の会場「nitehi works」ここは、築40年以上の銀行をリノベーションしたオルタナティブ・スペースで、吹き抜け構造や当時使用されていた金庫がそのまま残されており、キュレーションの新たな可能性を予感させてくれます。本展では、作品とその外側との「繋がり」や「関係性」を意識させるアーティスト6組が、それぞれのアプローチによって開催地域のリサーチ/フィードバックや、鑑賞者との対話を行います。ひとすじの雫が滴り落ち、深く、緩やかに浸透していく運動のように、展覧会が町というコミュニティに歩み寄り、繋がり、親和性をもつことへの願いから、本展のタイトルを「Drop Me !」としました。「アートは、個性的な(場)と交渉/関係することによってどのような変容を遂げるのか」という問いは、他者や事象との触れ合いをユニークで多様なものにしてくれます。「DROP ME!」展は、若葉町の新しい姿を見せてくれます。